ちょっとクラッシック音楽に疲れて…。
ふと、昔集めた、
ジャズバイオリンの巨匠
「ステファン グラッペリ」のCDを引っ張り出してみた。
1997年に89歳で天に召されているが、
晩年もライブを続け、テレビ出演もし、切なくもあり温かな音色と、軽快なリズムでスウィング。
かなり高齢なのに見事によく動く指をじーっと見ていたものだった。
クラッシックバイオリンからしたら、決して正しい持ち方ではないけれど、楽器がグラッペリの身体の一部に同化して、
なんて楽しげに、お洒落に、粋な音楽を奏でるんだろうと、
グラッペリお爺ちゃんにクギづけだった。
ガーシュインの曲も、グラッペリの手にかかれば、
ニューヨークではなく、パリのエスプリに。
映画「カサブランカ」の「アズ タイム ゴーズ バイ」の最後に一瞬「ラ マルセイエーズ」が隠れてて、これまたお茶目なアレンジ。
20世期を生き抜いた素晴らしいジャズバイオリニスト。
そして、昔の映画、ベルリンを舞台にした「グランドホテル」をミュージカルにしたブロードウェイ作品。
グランドホテルという箱の中で、様々な人間模様が同時に繰り広げられる。
喜びも哀しみも、身分の違いも、グランドホテルの中を行き交う。
それでも最後は、何事も無かったかのようにいつもと同じ朝を迎え、今、生きているよろこびを叫ぶ。
1991年、ブロードウェイミュージカルが来日した際、何気に名鉄ホールに足を運び、良い意味でショックを受けた作品。
鬼才「トミー チューン」演出。
赤椅子だけで、グランドホテル内の場面が転換。
1930年代の古き良きヨーロッパが舞台なのに、その香りを残しつつ、チャールストンあり…わずかにアメリカを思わせる。
私の中では、いまだに、この作品以上好きなミュージカルは現れず。
楽曲もどこか不思議で大人の雰囲気。
「ファントム」の作曲家、モーリー イェストンの作。
『ジャズをパリのエスプリで奏でるグラッペリ。』
『ベルリン舞台なのに禁酒法時代のアメリカを匂わせる。』
…なんだか、粋で上質で、コニャック色の雰囲気…とっても素敵。