Xmas丸の内を歩きながら

「尋常性白斑」

聞き慣れない病名ですが、
私も昨年、初めてこの病気を知りました。

昨年、肌が少し白くなっているのをみつけると、
みるみるうちに全身に広がり、
マーブル状態に。

甲状腺の関係もあるらしいのですが、
原因も治療法もわからず
肌の色素が抜けていく病気です。

本来、
隠すべきことかもしれませんが、
あえて、公言することで、
多くの人に、この病気を知ってもらえれば…。

名市大病院が積極的に、治療法に取り組んでいます。

ただ、痛くも痒くもなく、
人にもうつらない、
内臓に影響無し。
本人が恥ずかしいだけ。

治験も考えましたが、
副作用が心配。

それより、
このような肌の病気があることを、
生徒さん達も
目の当たりにして知ってもらえれば、
この先、無知による差別は生まれないのでは。

様々な肌の色の人種がいて、
マーブルがあったっていいじゃない、と自身に投げかけています。

マイケル ジャクソンもこの病気だったみたいです。

ただ、今年の夏の暑さに反して、上着を羽織らなければならない状態は、とても辛かった。

外見に特徴、個性のある人達が、
何も気にならない世の中になれば嬉しい。

クリスマスイヴ
東京會舘で喜寿になられた安奈淳さんのディナーショーに行ってきました。

安奈さんも余命3日から復活し、
喜寿にして、素晴らしい歌声。
シャンソン、ジャズ、ピアソラも、自身の中で練られ持ち歌になり、
魅了させられました。

『シナーマン』も熱く歌われ、
「若い頃に歌ったシナーマンは凄かった!」と笑いを入れながら自身で仰られ、
確かに子供の頃に聴いたシナーマンはパワフルでしたが、
いやいや、今でも素晴らしい。

今年は越路吹雪さん生誕100周年。
大先輩の歌も披露。

ピアソラ『ブエノスアイレスのマリア』も、
年齢と経験を重ねられていらっしゃり
個性が際立つ歌唱だからこそ、
心が動かされます。

最近、
フィギアスケートで、
ピアソラ『アディオス ノニーノ』で演技されている選手がいて、
思わず、テレビを凝視しました。
艶っぽくて美しくて、
心の底から静かに涙する、
大好きな曲です。

尋常性白斑という病気になってしまいましたが、
生きているからこそ、
いろいろなことが起こってくる。
生きているからこそ。
これも個性。

世界では、
肌の色、領土、宗教、意味不明な差別と優越感で争っている現状。
人間がいる限り続くでしょうね。

【私達の上にはただ空があるだけ】

ジョンレノンの
『imagine』と
『happy christmas』が脳内で流れています。

安奈淳さんの
「78歳の来年も頑張る!」
という言葉に後押しされ、

東京會舘から日比谷までの
イルミネーションを見上げながら、
今年も、この光景に出会えた喜びで、
一瞬一瞬が大切な『今』なんだと、

そんな、イルミネーションの下に集まる、
これからを生きる若者達に、
個性の灯を消さないよう願うなか、

キラキラの空間から淡黒の空を見上げながら、
何か思惟にふける
2024.クリスマスイヴでした。

『RUNWAY』100周年の記憶

 

2024.12/4、
宝塚100周年当時のトップスターが集結したゴージャスなコンサート、
『RUNWAY』の初日を、
梅田芸術劇場にて堪能してきました。

社会的に宝塚は様々な問題を抱えていて、
私も物申したいところはありますが、
それはしっかり上層部、内部の改革を願うのみで、
観客に現実を忘れさせ、夢の舞台を届けてくれるのは事実。

2014年が100周年。
今から10年前。

当時のトップスターさんの
それぞれの演目の歌が流れたとき、

ふと、

10年前は、まだ両親も健在で、
どの組の演目もチケットが取れれば観に行っていた…

両親の身体の心配、食事の心配もすることなく、
安心して家をあけることができ、
帰宅すると両親に
「こんな舞台だった。こんな衣装だった。街でこんなトップスターさんに出会った」と、
よく話していたことを、
舞台を観ながら思い出していました。

10年で、こんなにも身を置く環境が変わるものなんだ。
帰ったら両親に感想を話したい…

当時の各組の歌が自然に口ずさめ、
未だ変わらないジェンヌさん達の姿に釘付けになり、
楽しくて楽しくて楽しくて、、、
幕が降りてからも、
懐かしさと嬉しさで心満たされていました。

この先10年後は私自身どうなっているかわかりません。

今、楽しめること、心踊るものに
たくさん触れ、
ここからは形無い心の感動の財産を蓄積していきたい。

10年前の心情も記憶として残っている。
ならば、
瞬間で終わってしまうものかもしれませんが、
感動の記憶は、
誰にも壊されないし誰にも奪われない。

私だけの大切な感動の記憶。
私だけの大切な無形財産です。

街の音楽会

丘陵地帯の
高蔵寺ニュータウン。
廃校になった小学校を地域の人達のために活用している施設、
『グルッポふじとう』にて、

名フィル首席奏者とピアニストによる三重奏が催されました。

空からコバルトブルーの絵の具が落ちてきそうな小春日和。

ハイドン、ベートーヴェン、アレンスキー、
私は初めて知りましたが、
フランスの作曲家ヴァンサン.ダンディ。
ジャズアレンジの曲もあり、
素敵な空間でした。

ベートーヴェン.ピアノトリオ4番「街の歌」
当時の作曲家ヴァイグルのアリアがウィーンの街でとても有名で、
そのテーマをベートーヴェンが使用したとのこと。

今ではヴァイグルという名も知られていませんが、
流行ってそんなもので、
現代は忘れ去られていくのが更に加速し、
世代ギャップを感じる昨今です。

それでも、100年200年300年前に作られた曲が、
演奏者がいるからこそ、
今も継承され、未来に残っていく。

ハイドンとかベートーヴェンとか、とかく難しく捉えがちですが、
(奏者はもちろん考えています)

聴衆は、それを聴いて、
どんな景色が現れ、
登場人物は誰で、
どんな色彩のなかに身を置き、
そして物語が始まり、何を感じ、
どんな感情が溢れてきたか…

それが耳からの贈り物だと思っています。

普段、
コンサートホールに出かけられないような世代の聴衆にとっても、
身近で、弦楽の調べが楽しめ、

どちらかというと、しっかりしたクラッシックのプログラムですが、
奏者のピアニッシモに徹底したこだわり、
弾くことの楽しさを感じたからなのか、
何か肩の力が抜けて聴け、
あっという間の1時間半でした。

とても綺麗にされている校舎。
高度経済成長の時代から、
たくさんの子供達が学び、遊び、
成長を育んだ場所。

穏やかな昼下がり。
学び舎のかつての子供達は
午後の授業で、
少し眠くなったり…
塾のことを気にしたり…
放課後の遊ぶ約束…

それぞれの時代の街の歌が、
この校舎から聴こえてきそうです。

2017-2024 岩﨑バイオリン教室