楽友協会黄金ホールからのニューイヤーコンサート。
小学3年生のとき、
初めてシュトラウスを聴き、
学校から帰ると毎日『春の声』や『皇帝円舞曲』『ウィーンの森の物語』などカセットテープがすり切れるほど聴き、心躍らせていました。
我が家は、
衛星放送で生中継される、新年のこの贅沢な時間を楽しみにし、
音楽にうとい父も、必ず19時にはスタンバイ。
テレビの前で静かに聴いていました。
父も『音楽はいいなぁ』と。
今年は特別。
無観客で、あらかじめリモートで繋がっている全世界の人々からの拍手、bravo!
ここ数年は録画して、後日観ていましたが、
やはり、オンタイムで聴かないと!と思い、全世界と同じ時間を共有。
今年は巨匠リッカルド.ムーティ指揮。
昨年、コロナ禍、万全対策して、6/14、指揮台に登場しました。
国立バレエ団の衣装デザインは、
『クリスチャン.ラクロア』
母が洋裁の仕事をしていたため、
TV番組『ファッション通信』の視聴者だった私は、
ラクロアの、
個性的で、独特な色彩の組み合わせ、
大胆なセンスの衣装が大好きでした。
黄金ホールを飾る色とりどりの花々。
総合芸術のニューイヤーコンサート。
ムーティの言葉、
『音楽、文化、劇場をいかなる状況でもなくしてはならない』
楽団員は毎日PCR検査を受け、
ウィーンフィルの音色、響きを壊さないためにも通常の楽器配置、
この徹底した
【安全対策で伝統を守る】が、
今年の、ニューイヤーコンサート。
楽団長も、
『お客様が10人であっても100人であっても、ウィーンフィルの響きを裏切らない演奏を』と。
1938年、
ナチスドイツのオーストリア併合で、オーストリア人の不満がつのらないよう、このコンサートが始まったそうです。
今年こそ、
明るく楽しい、希望に満ちた音楽、映像に、癒されています。
無観客…。
テレビの前の私だけのために、このコンサートが催されているようで、
元旦の夜を静かに、
この一年に希望を抱き、喜びを感じ、前を向くことができるよう、
そんな時間を提供してくれたニューイヤーコンサートでした。
来年の指揮者はピアニストである巨匠、ダニエル.バレンボイム。
2020.6/5、コロナ禍、最初に指揮台に立ったバレンボイム、
来年のニューイヤーコンサートも今から楽しみですが、
今年のニューイヤーコンサートは、
忘れ難いギフトをいただいた…
そんな一年の始まりでした。