NHKのドラマ『天使にリクエストを』というタイトルに惹かれ録画してみました。
冒頭、『人間には最期祈ることができる』?みたいな文が(録画を消してしまい正確には覚えていません)画面に流れ、
少し、真剣に観てみようと。
執筆の大森寿美男氏。
『人生の最後に最大の不幸「死」が待っている…と考えるのが最大の不幸で、死は平等。人生最後に願いを叶えてあげるのが幸せ』というテーマのドラマ。
この高齢化社会に、姥捨山的な考えではなく、本来、これが長い人生頑張ってきた先輩達への、感謝、慈愛の行動なのではないか。と、
父をおくり、今、母の面倒を看る私としては、賛同しながら観ていました。
また、その願いの手助けをするのが、ドラマの中で自らも辛い過去を持つ、アウトローな探偵(江口洋介)。
私の父は、40代から病を患い入退院の繰り返し。
常に「今度の入院で死んでしまうかも…」と、子供の頃から、心の奥底でなんとも言えない恐怖心があり、
12歳のときには、なんと、白髪が出ていました
(マリーアントワネットでさえ、白髪になったのは30代なのに笑)
でも、人の寿命、生かされる使命というものがあるのでしょうね。
84歳という倍の年齢を、常に病と闘いながら、人生、生ききってくれました。
最期を前に、
「緩和病院に行きたい?」
「家に居たい?」と尋ねたら、
こんな狭い家でも、
「絶対、家がいい。病院は嫌だ!」と言い、
父が望むように、
家で看護体制に入り、好きなものを食べ、
その頃は、毎日が大変でしたが、
今から思うと、3か月という時間、
私達に大した迷惑もかけず、ちょうど仕事納めの年末、静かに逝きました。
最期の晩餐は、大好きなpizza(ほぼ、食べれませんでしたが)。
前夜のとぼけた会話は、
『ちびまる子ちゃん』の、
友蔵とまる子の会話のようで、思い出すと笑えてきて一生忘れません。
病と闘い苦労した人生ですが、
父の生き様、死に様は、私に大きな学びを与えてくれました。
今、母が
施設もイヤ、ディサービスもイヤ。
周りからは
「仕事も家事も介護も、あなたが大変でしょう」と言われますが、確かに大変です。
でも、本人がイヤなら、無理強いしても仕方がない。
高齢者でも、選ぶ自由はある。と思い、
なんとか、私だけで介護できるうちは、母の願いのままにしてあげようと。
日々、無事に(無事でないときもありますが、大事には至っていません)終われたことに感謝する、
一日の夜の祈りです。
チャールズ チャップリンの名言。
『死と同じように避けられないものがある。
それは、生きることだ』
このコロナ禍、確かに名言です。
夕陽が落ちる前の
燃えるようなマジックアワーと
淡いマジックアワーに出会いました。
最期の直前の一瞬は、
全てを放出し昇華し、とても美しいものだと、
改めて、物事、自然の真理を感じた刹那でした。