長かった酷暑からほんの少し解放されたのは、
まさにお彼岸を境にした9/23日。
京都、桂川を西に越え、
落ち着いた上桂駅で、阪急電車を降り、
わずかに日差しのやわらぎを感じながら、
青山バロックザールに向かいました。
ウィーン在住、
荒井優利奈さんのコンサート。
その日、阪急電車遅延もあったせいか、
シューマンの冒頭、ロマンティックで穏やかで美しい音楽に安堵し、
深みのある音色に癒されていました。
7年間、ウィーンで研鑽を積み、
今暫く、日本に滞在し、
まだまだ自身の磨きに挑戦していく姿は、
本当に芯が強く、
与えられた天性と、
並大抵ではない努力が成された果なのだと感服し、
舞台上では、
音符が輝きながら舞い踊っているようでした。
アンコールは『美しきロスマリン』
可憐で愛らしいロスマリンがそこに存在しているかのようで、
ヴァイオリニストによって、ロスマリンの風貌は変わるものだなぁ…と。
ここは都から離れた嵐山の麓。
ロスマリンもきっと、ウィーン郊外の自然豊かなところで、
これからの未来を夢見て過ごしていたことでしょう。
ロスマリンをまとう風は、
涼やかでとても軽やかでした。