2025新春、南座で初笑いさせていただきました。
秋の京都、
藤山寛美さんの十八番[おはこ]
『一姫二太郎三かぼちゃ』
娘さんの藤山直美さんが演じるとのことで、胸踊りながら南座へ。

お話【優秀な兄弟のなかで、(失礼な言い方ですが)一番出来の悪い子が、
一番の親孝行で正直者。
コツコツ地道で、親の面倒も看る働き者。
欲が無く、親の喜ぶためなら…】
泣かせたかと思ったら、
現代のアドリブも入れ、大笑いさせる。
お父様の藤山寛美さんの芸は唯一無二でしたが、
直美さんもさすがの演技力。
二部『お祭り提灯』の丁稚姿も
お父様を彷彿させ、
耳に心地よい船場言葉。
これぞ上方喜劇。
幕前や幕間の序曲?と言うべきか、
出囃子?というべきか、、、
木琴のような音もあり懐かしく、久々に聴いた音色でした。

客層は年配の方ばかりで、
この上質な笑いは、
この先、伝承されていくのだろうか…。
子供の頃、
テレビで観たこの演目の役者さんは、ほぼ鬼籍に…。
映画『国宝』の中でも重要な演目、
歌舞伎『曽根崎心中』が、
近々上演されるらしく、
映画ロケ地でもある南座。

祇園四条、
レンタルであろう留袖を短く着付けスニーカーで歩いている若者を見かけましたが……賛否あるでしょうね…。
変わりゆく古都。
変わりゆく人波。
変わらなくてはいけないもの、
変わってほしくないもの、
線引きは個々に違うのでしょう。

洋モノ好きの私ですが、
笑いの芸だけは、和の質の良いものが残っていってほしい。
鴨川に虹がかかっていました。

上質な和モノを、
次の世代に渡す虹が出てほしい…と願うばかりです。


