『兼高かおるさんが亡くなられたニュースを耳にして』
子供の頃の日曜朝は、「兼高かおる世界の旅」と「海外ドラマ」で始まる休日でした。
1ドル=360円の時代。
世界を飛び回りリポートする『兼高かおるさん』が、子供ながらに、知的で美しく、エキゾティックで素敵な笑顔。
断然、私の憧れの女性でした。
私の記憶では、
確か、今は無きパンナムの飛行機が、「80日間世界一周」の曲にのせ滑走路を飛び立つオープニングで始まり、落ち着いた語り口の芥川隆行さんとの掛け合いもまた素敵で、毎回ワクワクしながら観ていた記憶があります。
今や、近い海外になりましたが、当時は夢のまた夢。
ブラウン管の中で、毎週、家族が世界一周をさせていただいてた懐かしい思い出です。
「80日間世界一周」の曲が大好きで、大人になり元々の映画も観ました。
英国紳士の間で、気球、鉄道に乗り、80日間で世界一周ができるのか?…という賭けをするお話ですが、ラストのどんでん返し。
当時のスター俳優が総出で作られた大娯楽映画。
でも、
やはり私のなかでは、「兼高かおるの世界の旅」のテーマ曲として「80日間世界一周」は心に留まり、
カルテットのお仕事でも、何度となく楽しく弾かせていただく度に、兼高さんのお顔がよぎりました。
当時、兼高さんに憧れていた私のような子供達が多いのでは…。
どんなジャンルであれ、
子供の頃に心に残る曲は、映像と共に色褪せません。
『兼高かおるさん、素敵な旅を、夢を、ありがとうございました』