三度目の正直ならぬ三度目の松竹座

 

2021年、
好きな演者さんのお芝居が観たいと、
大阪松竹座でのチケットをゲットしました。
あの当時、上演可能か心配するなかやはりコロナで全公演中止。

2022年、
同じ演目の再演が決まり、
楽しみに松竹座の前まで行き、
はたまたその場でその日から中止。
よくよく、縁がないものだと思っていたら、
今回、3度目にして、ようやく、
扉をくぐることができました。

しかも本拠地での松竹新喜劇。

子供の頃好きだった、
藤山寛美さんが立っていた舞台。

なんと、
お孫さんの藤山扇治郎さんにお取次していただき、
良席で泣き笑いさせていただきました。
古い人間かもしれませんが、
『笑い』って、こういうものよねって。

高田次郎さんが、
一瞬でも舞台にお立ちになっていたのには、懐かしさと驚きで、
隣席の姪御さんによると92歳とのこと。
素晴らしい。

若手古参が入り混じった松竹新喜劇。
良質な笑いを若手が伝承しようとしているのがよくわかり、
堪能させていただきました。

心に残るものは、
音楽でもお芝居でもなんでも、
個性的で質と品の良いもの。

泣き笑いと共に、
義理、人情、道理、温情、慈愛が
3時間のお芝居には詰まっていました。

観光客と極彩色で溢れ、
治外法権も感じる
道頓堀の赤い灯青い灯。

それでも、松竹座の中だけは、
懐かしくて勢いを感じる、
『古き佳き泣き笑いの灯』がともり、

その灯は、
ガス灯さながら、
なんとも温かく包み込まれるようで、
帰路が楽しくなる風情の灯でした。

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