ポーの一族

【エドガー.アラン.ポー→江戸川乱歩】
【エドガー.アラン.ポー→ポーの一族のエドガーとアラン】

萩尾望都氏の傑作『ポーの一族』を、やはり宝塚ですが、観てきました。
初演も観劇しましたが、再演の今回はとにかく美しい。

当初、萩尾望都氏が、
ミュージカル化を許可しませんでしたが、
30年の時をかけ説得し、
満を持して、
2018年、ピジュアル的にも相応しい役者達で作り上げた初演『ポーの一族』

漫画派だった私は、
失望するのを懸念し、舞台に興味はなかったのですが、
たまたま東京宝塚で観劇。
「何…この世界観…!」と感動し、
今回の再演は、これまた更に相応しい演者達。

美しくて儚くて苦悩のバンパネラ(吸血鬼)として永遠の時を駆け抜けるエドガーとアランの孤独さ、切なさ…何もかもが、幻想の世界でした。
とにかく美しい。
(細かな分析は遠慮しますのでどなたかの書き込みを)

萩尾望都氏は初演も再演もご観劇され、大層喜ばれたそうです。

昔の漫画は、何か一本スジが通っている作家が多く、
萩尾望都氏の『トーマの心臓』とかは、もはや文学では…と思ったほどでした。

アメリカの作家『エドガーアランポー』からヒントを得て『江戸川乱歩』というペンネームへ。

エドガーがバンパネラである『ポーツネル家』と出逢ってしまったためにポーの一族へ、そして孤独なアランも。

7/27夕刻、
江戸川乱歩賞を取られた東野圭吾氏の訃報が流れました。若すぎる。
『白夜行』も『流星の絆』も、どれくらい前になるのでしょう…。
今でも記憶に残っています。
永遠の命は決して望みませんが、
作品は永遠の命を得、
そして人間の命というものは儚いものですね。。。

名フィル.60歳Happy birthday!

2026.7月10日、
名フィル60周年ということで、
東海地区ゆかりの豪華ソリストを迎え、楽しい演奏会が行われました。

[バイオリン]辻彩奈さん
ショーソン『詩曲』
[ピアノ]務川慧悟さん
プロコフィエフ『協奏曲1』
[チェロ]佐藤晴真さん
C.P.Eバッハ『協奏曲3』

各々の演奏はもちろん素晴らしく、
大好きなピアニスト.務川さんの音楽は繊細で、
色彩豊かな音符たちが、
はじけるように舞台を飛び舞っていました。

そして、
豪華にもそのソリスト達がオケに乗っての
ラヴェル『ボレロ』

1stVn.2plut表.辻さん、
チェレスタ.務川さん、
Vc首席.佐藤さん。
友情出演にSaxの上野耕平さん。

パリで学び、ラヴェルをこよなく愛する務川さんにとっては、特別な演奏だったことでしょう。

夢の競演で眼福でもありました。

最近、名フィルに足を運ぶようになって感じるのは、
弦楽器の強弱の幅が広くて、
特にPPの美しさ。
ハッと心を持っていかれます。

60年という年月が創りだした豊潤なハーモニーは、
東海地区に誇れるオーケストラが存在する証しとして、
いち聴衆としても嬉しい限りです。

名フィル還暦おめでとうございます。
ここからまた大還暦の始まりですね。

『黒蜥蜴』からあれやこれや

子供の頃、
『明智小五郎シリーズ』が好きで、
今回、宝塚ではありますが
『黒蜥蜴』が観たくて、春にはチケットをゲットしていました。

江戸川乱歩シリーズはテレビで観て、
アルセーヌルパンは小学校の図書館で読み漁り、
あとは、ホームズ、アガサクリスティー。。。

今、考えると、
江戸川乱歩も松本清張も、当時の日本だから可能なトリックでもあり、
今やふふっと笑ってしまうところもありますが、
昭和の匂い、時間経過や街の灯りの違い、埃っぽさも感じながら、
今よりも『美』に対する価値観が成熟していたように感じます。

美輪明宏さんの訃報。
その2日後の観劇。

宝塚は明智小五郎と緑川夫人をどのように演じるのだろう…?
…なかなか良かったのでは。

昭和の戦争〜から騒ぎな時代を生き抜いた、稀代な存在の美輪さん。

子供の頃『ヨイトマケのうた』を聴いたときは、
やるせなくて、それでも母親の愛情の強さを知り、
「たこつき」という、今や機械がする作業を女性もしていたのだと、
日本の貧しさから、少しずつ国が栄えていくサマをこの歌から感じたものでした。

この歌の低音のリズムはまさに「たこつき」の土台作りを想像させますが、
昨今の危うい日本の土台に流れるリズムは何なのかしら?

年齢性別を超えて、ひとりで何役もドラマティックに演じ分けられるアーティスト。
美輪さんの中には、
あのような時代を生き抜いたゆえ、清濁併せ呑んだ全てが含まれているのでしょうね。

三島由紀夫脚本の黒蜥蜴。
美輪さんの緑川夫人は、
当時、妖艶で不気味でどこか可愛らしいものがあったのでしょう。
(観てないので知りませんが)

歌詞にはメッセージ性がないと歌ではない…と仰っていた美輪さん。
昨今のリズムや機械音、同じような衣装…ではなく、
美しく意味深い日本語を駆使した、
伝えるべきことがある歌が廃れていく日本にはなってほしくない。

『愛の讃歌』も
エディットピアフ本来の天地が張り裂けるほどの愛を表現していらっしゃいます。

実際の金閣寺放火事件をもとに書かれた、
●三島由紀夫の『金閣寺』
●水上勉の『五番町夕霧楼』
同じ題材なのに、内面的なもの、情緒的なもの、描き出されるものが全然違い、アプローチの違いでこんなにも印象が違うのだと。
やはり多彩な日本語で綴られたものは魅了されます。

今年は宝塚ホテル開業100周年。
旧宝塚ホテルが93年で幕を閉じたとき偶然にも宿泊。


今回、100周年を記念して
手塚治虫氏のカードキーをいただき、
旧宝塚ホテル内でのブラックジャックの画に、子供のように嬉しくなっている私。
2028年は手塚治虫氏生誕100年です。

100年で日本の情緒も美意識も言葉も(言葉の変化は当たり前ですが)変わりゆき、
何か自己主張ばかり押し通す昨今、
古い言い方ですが、
『お天道さまに恥ずかしくない』自分を目指し、
日本の謙虚で奥ゆかしい精神だけは失いたくないものです。

2017-2024 岩﨑バイオリン教室