
子供の頃、
『明智小五郎シリーズ』が好きで、
今回、宝塚ではありますが
『黒蜥蜴』が観たくて、春にはチケットをゲットしていました。

江戸川乱歩シリーズはテレビで観て、
アルセーヌルパンは小学校の図書館で読み漁り、
あとは、ホームズ、アガサクリスティー。。。
今、考えると、
江戸川乱歩も松本清張も、当時の日本だから可能なトリックでもあり、
今やふふっと笑ってしまうところもありますが、
昭和の匂い、時間経過や街の灯りの違い、埃っぽさも感じながら、
今よりも『美』に対する価値観が成熟していたように感じます。

美輪明宏さんの訃報。
その2日後の観劇。
宝塚は明智小五郎と緑川夫人をどのように演じるのだろう…?
…なかなか良かったのでは。
昭和の戦争〜から騒ぎな時代を生き抜いた、稀代な存在の美輪さん。
子供の頃『ヨイトマケのうた』を聴いたときは、
やるせなくて、それでも母親の愛情の強さを知り、
「たこつき」という、今や機械がする作業を女性もしていたのだと、
日本の貧しさから、少しずつ国が栄えていくサマをこの歌から感じたものでした。
この歌の低音のリズムはまさに「たこつき」の土台作りを想像させますが、
昨今の危うい日本の土台に流れるリズムは何なのかしら?
年齢性別を超えて、ひとりで何役もドラマティックに演じ分けられるアーティスト。
美輪さんの中には、
あのような時代を生き抜いたゆえ、清濁併せ呑んだ全てが含まれているのでしょうね。
三島由紀夫脚本の黒蜥蜴。
美輪さんの緑川夫人は、
当時、妖艶で不気味でどこか可愛らしいものがあったのでしょう。
(観てないので知りませんが)
歌詞にはメッセージ性がないと歌ではない…と仰っていた美輪さん。
昨今のリズムや機械音、同じような衣装…ではなく、
美しく意味深い日本語を駆使した、
伝えるべきことがある歌が廃れていく日本にはなってほしくない。
『愛の讃歌』も
エディットピアフ本来の天地が張り裂けるほどの愛を表現していらっしゃいます。
実際の金閣寺放火事件をもとに書かれた、
●三島由紀夫の『金閣寺』
●水上勉の『五番町夕霧楼』
同じ題材なのに、内面的なもの、情緒的なもの、描き出されるものが全然違い、アプローチの違いでこんなにも印象が違うのだと。
やはり多彩な日本語で綴られたものは魅了されます。

今年は宝塚ホテル開業100周年。
旧宝塚ホテルが93年で幕を閉じたとき偶然にも宿泊。

今回、100周年を記念して
手塚治虫氏のカードキーをいただき、
旧宝塚ホテル内でのブラックジャックの画に、子供のように嬉しくなっている私。
2028年は手塚治虫氏生誕100年です。

100年で日本の情緒も美意識も言葉も(言葉の変化は当たり前ですが)変わりゆき、
何か自己主張ばかり押し通す昨今、
古い言い方ですが、
『お天道さまに恥ずかしくない』自分を目指し、
日本の謙虚で奥ゆかしい精神だけは失いたくないものです。


