2024発表会

その日は
パリ祭で、
民衆が立ち上がった革命記念日。
民主主義を揺るがす、
歴史本に残るだろうアメリカ、
トランプ氏のアクシデント。
コロナが再び蔓延し始めた、
7月14日、
無事、発表会が終わりました。

幼稚園児から大学生まで、
皆さん、本当によく頑張ったと思います。
1週間前、
なぜか止まり止まりになってしまった生徒さん達が多数(汗)。
ゆっくり、丁寧に、楽譜をしっかり覚えて練習してね。としか言えなく、
祈る気持ちでしたが、
皆さん、本番はしっかり弾ききってくれて、ブラヴォー!です。

私が、
6月下旬にコロナ初罹患で、
レッスンもお休みし、
心配ではありましたが、
生徒さんを信じ、
また、この時期に感染したことが、有り難いと感じました。
(辛かったですが笑)
1.2週間遅ければ、
発表会は開けませんでした。
コロナに感染して『感謝』というのも変ですが、

ちょっとしたことで、小難が無難にコトが運ぶようになる。
高熱出しながらも感謝している自分に笑えてきました。

合奏は、
『キラキラ星』
『ユダスマカベウス』
全体合奏は、
長久手のジブリパークも徐々に充実してきて、
それにちなみ、
『ハウルの動く城』から2曲。

ここでも、コロナによるハプニングがあり、
どうしましょ…と思いましたが、
皆さんのご尽力で、
なんとか、無事、披露することができました。

いろいろな方法をみつけて、
信じて、目標だけに向かっていれば、
無事に過ぎていくものだと、
つくづく感じました。

この年齢にして、ひとつ勉強になりました。

生徒さん、ご家族の皆様、伴奏者、お手伝いくださった先生方、
(今年は名フィルの友人にも多大にお力をいただき)
そして、聴きに来てくださった皆様、
本当に、ありがとうございました。

毎年恒例、
父が好きだった北海道のバームクーヘンを子供達にお渡しすることができ何よりです。

良い夏の始まりでした。

三度目の正直ならぬ三度目の松竹座

 

2021年、
好きな演者さんのお芝居が観たいと、
大阪松竹座でのチケットをゲットしました。
あの当時、上演可能か心配するなかやはりコロナで全公演中止。

2022年、
同じ演目の再演が決まり、
楽しみに松竹座の前まで行き、
はたまたその場でその日から中止。
よくよく、縁がないものだと思っていたら、
今回、3度目にして、ようやく、
扉をくぐることができました。

しかも本拠地での松竹新喜劇。

子供の頃好きだった、
藤山寛美さんが立っていた舞台。

なんと、
お孫さんの藤山扇治郎さんにお取次していただき、
良席で泣き笑いさせていただきました。
古い人間かもしれませんが、
『笑い』って、こういうものよねって。

高田次郎さんが、
一瞬でも舞台にお立ちになっていたのには、懐かしさと驚きで、
隣席の姪御さんによると92歳とのこと。
素晴らしい。

若手古参が入り混じった松竹新喜劇。
良質な笑いを若手が伝承しようとしているのがよくわかり、
堪能させていただきました。

心に残るものは、
音楽でもお芝居でもなんでも、
個性的で質と品の良いもの。

泣き笑いと共に、
義理、人情、道理、温情、慈愛が
3時間のお芝居には詰まっていました。

観光客と極彩色で溢れ、
治外法権も感じる
道頓堀の赤い灯青い灯。

それでも、松竹座の中だけは、
懐かしくて勢いを感じる、
『古き佳き泣き笑いの灯』がともり、

その灯は、
ガス灯さながら、
なんとも温かく包み込まれるようで、
帰路が楽しくなる風情の灯でした。

これだけは貫きたい

バイオリンは難しいです。
音程を取るのも綺麗な音を出すのも。
『…持ち方も…』

はっきり言って、持ち方は自然に逆らっています。

バイオリンを手で持ってはいけない。
左腕、左手はひねらなきゃいけない。
右腕は自然な動きに逆らって弓を動かさなきゃいけない。
弓の持ち方は5本の指に意味があって、それをわかったうえで弓を持たなきゃいけない。

つくづく、
🎻「あなたに私を弾きこなせることができるの?」なんて、
楽器に嘲笑されているかのようです。

だからこそ、
教え始めて何十年もの間、
持ち方と基礎だけは、
私がわかる範囲でしっかりお伝えしようと心に決めてきました。

基礎がしっかりしていれば、
(プロが突き詰める基礎はもっと深いですし、流派もあります)
たとえ、弾かない時期があったとしても、再開することができます。

間違った持ち方のままだと、
正しい持ち方を修得するのに
倍以上の時間と努力が必要でしょう(何が正しいかの議論はありますが)
直らないことが多々です。

 

恩師が、
【持ち方の間違った生徒を排出することは罪だと思わない?…】と。

この言葉が何十年も心に刺さっています。

ここだけは、貫いてきた信念です。

さて、
今月は、その恩師の演奏会があります。
ボーイングのテクニックは本当に美しく、
私自身、もちろん『音楽』も、
再確認するチャンスです。

幼い頃の思い出

気候も良くなり、
なんとなく普段通らない道をお散歩していたら、
たわわに咲く木香薔薇に出会いました。


生徒さん達は今、
7月の発表会に向け、
まず、独奏曲の練習に頑張っているところです。

今年の合奏は、
幼稚園児のために、
小学5年生までの生徒さん達と
『キラキラ星』

小学生全員で、
『ユダスマカベウス』

大学生のソロ曲が終わってから
全員合奏で、
『ハウルの動く城』から「世界の約束」「人生のメリーゴーランド」


合奏曲はまだこれから練習に入るところですが、
今年も心に残る会になりますように…と、
夏まで、私も気を抜けない状態です。

今年は、
高校生のピアノソロ、トロンボーンソロにも演奏披露していただき、
また、合奏賛助として、
名フィルの友人、他にヴァイオリン仲間もお手伝い下さり、
有難い限りです。

木香薔薇の花言葉に
『幼い頃の幸せな時間』とあります。


誰ひとり欠けることなく、
発表会での時間が、
幸せな時間になりますこと、
そして、
佳き思い出になりますよう、
自身の精進も忘れず、

藤棚の下で、
巡る思いを馳せていました。

ドラドラ♪シンフォニー楽団

昨年、
ドラえもんの映画の子供オーケストラ団員を募集しているので、
生徒さん(兄妹)とお友達4人でカルテットを組んで応募しました!と、
報告があり、
「合格するといいねぇ」
「ジャイアンの服でも着てアピールしたら」
なんて、話していたら、
あれよあれよとオーディションを通過していき、

ついに、
『ドラドラ♪シンフォニー楽団』30組のメンバーに選ばれました!と、
嬉しい報告がきました。

何度かテレビ朝日での練習があり、
葉加瀬太郎さん、芳根京子さんも参加して、

いよいよ、
2024.2月24日
東京大手町の日経ホールにて、

沢田完氏指揮「夢をかなえて」
葉加瀬太郎氏作曲指揮「君のポケット」のコンサートと、
ひと足早く、
「ドラえもん、のび太の地球交響曲」の試写会がありました。

有り難くも、
私もお席をご用意いただき、

子供達のアンサンブル練習の成果に感動し、
葉加瀬太郎さん、芳根京子さん、芸人のかが屋さん、テレ朝アナウンサー坪井さん(久米宏さんの頃のニュースステーションでバイオリンを披露していたのを記憶しています)
もちろん、
モーツァルトヘアーのドラちゃん登場で、会場は盛り上がり、
客席の手拍子も熱かったです。

三味線等、いろいろな楽器のアンサンブルで、
小学生のこの時期に、同世代で違う楽器に触れ合うことができ、
合奏ができること。
しかも、曲はノリノリに楽しい🎶
ドラちゃんや葉加瀬さん、芳根さん、かが屋さんにもお会いでき、
映画のエンドロールにも名前が載り、
羨ましい限りです。

前日練習、
当日練習も時間が長く、
小学年には辛いかもしれませんが、
楽しいイベントで、
「我慢」「忍耐」「静かにお話を聞く」「同じ目標に向けみんなでひとつになる努力をする」
それだけでも、大きな成長のきっかけになる経験をしたと思います。

葉加瀬太郎さんの作曲した曲は
Fdur(へ長調)
これは、ドラちゃんのドとラ、藤子F不二雄先生のF(ファ)。
ファラドで構成されるへ長調の曲の
「きみのポケット」。
ちゃんと意味がありました。

ここ4ヶ月あまり、
私もドラえもんの曲が大好きになり

音楽は瞬間芸術ですから、
終わってしまえば消えてしまいますが、
子供達の心、親さんの心にも一生残る素敵な瞬間だったと思います。
もちろん私にも。

親さんの
「音楽を続けてきて、こんな素晴らしい機会と仲間をいただけたことが嬉しいです」と。

この言葉が私も何より嬉しいです。

音楽は素晴らしいと子供達に教えてくれた
ドラえもんとみんな!

♪♪♪ありがとう♪♪♪

東京で…

東京で…

初台の東京オペラシティでのコンサートに行ってきました。

以前、母と日本音楽コンクール本選を聴きに訪れたとき、
ここから新宿寄りにある母の母校である、
文化服装学院(現、文化学園)に寄り、
訪れるのは60年ぶりくらいらしく、
変わり果てても、懐かしがっていたのを覚えています。

今回、
私は、亡母を連れているつもりで、
母の眼となり、足となり、
再度、文化服装学院の前まで行ってみました。

立派な現代的な建物。
都庁に合わせたのかな???

母の時代と、今の時代は違いますが、よく、
「休日はみんなで、寮から銀座まで歩いた。楽しかった!」
なんて話を嬉しそうにしていたのを思い出します。

銀座が好きな母。

昭和22年創業の
洋菓子舗「銀座ウエスト」。
学生だった母には、高級だったかもしれず、
訪れたのかどうかはわかりませんが、

今、売り上げの一部を、
能登半島地震の義援金にと、
それに賛同し、
この日は刺すような寒さでしたが、外で並び、
ここの馴染みであろう
品の良いご婦人方とのお喋りで暖をとりながら、
順々に扉をくぐっていきました。

昔ながらの趣き。
ベートーヴェンの大きな胸像。
蓄音機は…どこかしら?
雰囲気に溶け込む絵画。

店内は、室内楽がちょうど心地よい音量で流れています。
お喋りするにも、ひとりの時間を楽しむにも、
耳に優しい音楽。

読書する人、
周りへの気遣いを感じる静かな会話を楽しむ人、
香りの濃い紅茶をお代わりして
質の良いケーキ(いちご甘くて、生クリームも良質)を楽しむ私。

テーブル毎に異種の生花と、
「風の詩」と題したエッセイの冊子。
さすがに、かつての文化人達が集いたくなる空間です。

店内は弦楽器の音色と共にゆっくり時間が流れています。
…外にはたくさんの人が並んでいましたが…。

決して広くない店内ですし、
今の時代のインスタ映えなる趣向とは全然違いますが、

古き佳き銀座を感じさせ、
接客の温かさ、
上質な音楽、
品の良いお菓子とお茶。

母にも雰囲気を味わってもらいたかったと、
生前の東京散策ルートに入れなかったことに、
ほんの少しの後悔を残し

昭和の薫り漂う銀座の一角を、
母と北風と共に去りました。

2023を想う

苦しいことも哀しいことも辛いこともたくさんあった年です。
でも、それを糧にして、
今後の誰かのお役に立てれば、と、
今年ほど思惟した年はありません。
気がつくといつも、
「いつか叶う♪」という明日への希望の歌を口ずさんで自然に楽しくなっている自分がいました。

歌って凄いですね。

反面、嬉しいこともたくさんあり、
周りの人達の優しさ、温かさ、慈しみをいただき、
私も、お返ししていかなくてはと
覚悟した年でもあります。

生徒さん達も、
最後のレッスン時に
「今年一年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします」
小さな生徒さんからも、
「良いお年を」と、
立派なご挨拶をいただくと、
生徒さんの成長や、
ひとりひとりのいろいろなことを思い浮かべ、
一年の様々な瞬間が頭をよぎります。
同時に着実な成長に安堵感も覚えます。

年末恒例のコンクールも考えていましたが、
それよりも嬉しい報告を受け
(詳細はまだ話せませんが)
私自身も、共に嬉しくなってしまい、
稀有で最高のプレゼントを、
生徒さんからいただきました。

2024は
まず、東京オペラシティでのコンサートに足を運びますが、

以前、母と
オペラシティで
『日本音楽コンクール』バイオリン部門の本選を聴きに行く途中、

新宿と初台の間に建つ
母の母校『東京文化服装学院』の前で、
周りの変わりゆく風景に、
母がキョロキョロしながら、
目を丸くしていたのを思い出します。

来年は母と一緒に歩いた道を辿ってみようと思います。

道。
人生でいえば、
ここがひとつの節目で分岐点なのだと、つくづく感じる昨今。

孔子曰く『耳順う(したがう)歳』

凝り固まらず、柔軟に、
周りの声をいかに聞けるよう、
自身が努力できるか…。
まだまだ足りない自分の、
人としての成長を目指し、
私は私だけの道を、
前進していきたいと思っております。

慌ただしい一年でしたが、
私に関わって下さった全ての皆様に、
感謝申し上げたいと存じます。

…ありがとうございました…

夏空の慈雨

2023.8月25日.早朝。
母が息を引き取りました。

すぐに施設に駆けつけ、
息を引き取ってから1時間くらいであろう、
まだ、温かな手をさすり、
90年、よく頑張ったと、
返事をするかもしれないと思いながら、
「お母さん…」と、優しく呼んでみました。。。

なかなか個性的な母で、
父の闘病生活もあったため、
人一倍、気が強く、
子供達を育てるのに必死でした。

さだまさし氏の短編小説、
『解夏(げげ)』

仏教用語で、
僧侶が雨季に籠っての修行から
解放されることをいいます。
苦しみから解き放たれる。

たぶん、
母も私も『解夏』を感じた瞬間だったと思います。

私の中では、
『哀しみ』というより、
母には、
私のできることは全てやり尽くした、
苦しいこともいっぱいでしたが、
そんな人生経験と
最後の親孝行の時間をいただけたこと。
父との約束も守れたこと。
「これで良かったのだ…」という満足感。
悔いはありません。

母も、ここ何ヶ月もの間
「ありがとう、すみません、ごめんね」しか言いませんでした。

最期の時を、この言葉で締めくくれたことが、
母の業が昇華されていくようで、
娘として一番嬉しかったです。

8/14から毎日、
バイオリンを持って、母の好きな曲を弾けたことも、
施設スタッフ皆様のおかげですし、
そして、バイオリンを習わせてくれた両親のおかげです。
バイオリンは持ち運べますものね。

赤塚不二夫氏の『天才バカボン』の
パパ、
「これでいいのだ」は
「ありのままを受け入れる」ということらしいです。
(バカボンの真髄はとても深いです)

『親ガチャ』とかいろいろな言葉が飛び交い、
他人と自分を比べ不平不満を言う。
なんとバカバカしいことか…。
もちろん非道な親も現実にはいますし、人間には嫉妬心があります。
当然、愚痴もでます。

『ありのままを受け入れて』
心の安寧を築き、
自身の生き方を肯定する。
これが、苦しみから解き放たれ、
心の幸せを得ることでは。

経験無くして、真理はつかめない、と、心底感じました。

あれほど
「帰りたい、帰りたい」と言っていた母。
自宅経由で施設を出ました。
急に、スコールのような雨が。。。

お骨になった母と共に自宅へ戻ろうとしたら、
突然、大粒の雨が。。。

母のうれし涙なのか…
きっと、そうだと信じています。

お盆過ぎとはいえ酷暑に、
潤いの慈雨のタイミングが
なんとも不思議でした。

お母さん、
ありがとうございました。

母がくれた夢の2日間

8月11日。
宝塚のSS席4列目で観劇。
客席降りでトップスターさんが横に。

次の日、8月12日。
安奈淳さんのランチショー。

そして夜は、
柚希礼音with紅ゆずる.真風涼帆のディナーショー。

信じられないくらい、
贅沢にもチケットが取れてしまい、
今年の運は全部ここで使ってしまったと確信した2日間でした。

安奈淳さんは、
以前も書きましたが、
75歳でも、声量があり粋で味がある素敵な歌声。
ご病気され余命3日と宣告されてからここまでの復活。

安奈さんのプログラムで知ったことですが、

タンゴ『ジェラシー』は、
デンマークのバイオリニスト、
ヤコブ.ゲーゼが作曲したコンチネンタルタンゴ
(何度もカルテットで弾いたことありますが、知らなかった)

『SHE』
映画「ノッティングヒルの恋人」でE.コステロが歌い、耳馴染みがあると思いますが、
本来は
C.アズナプールの歌。
シャンソンだと、初めて知りました。

今回は、
なんと最前列!
安奈さんを、見上げなくてはいけないくらいの距離。

…やはり運を使った…

しかも、お隣りの席は、
OSKの元トップスターさん。
お隣りのテーブルには元タカラジェンヌ。

とにかく歌声ひとつで、ここまで魅了させられる安奈淳さんは素晴らしい…と余韻に浸るなか、

帝国ホテル大阪をあとにして、
梅田の阪急インターナショナルへ。

…台風の心配もしながら…。

柚希礼音さんのディナーショーは、これまたパワフル過ぎてカッコ良く、
元トップ3人のトークも面白くて
ホテル側が終われとの鐘が何度も。

安奈淳さんと柚希礼音さんは、
35年の時を経て、
同じ演目の同じ主役をしたため、
『アマール.アマール』という大好きな曲を
同じ日にお二人から聴くことができ、まさに奇跡です。

全国の多くのファンが観たいがため、
昼夜2回公演がライブ配信に。
とにかく楽しくて、
こんな贅沢な日があるのだと、びっくりです。

終わってからスマホを見たら何度も施設から着信があり、
母が、熱と酸素飽和度が低くなっていると…。

夜遅かったので、
「なんとか、命はもって欲しい」と祈りながら、
次の日の7時台の新幹線で即岐阜へ。

すぐ施設へ行き、様子を見て、
残り少ない命だろうと確信しながらも、
もし、8/11に連絡入っていたら、二つのショーは観れなかった…
この2日間、子孝行してくれたと、
手を握り、
母の好きな歌『小さな喫茶店』を傍らで歌っていました。

『小さな喫茶店』も『ジェラシー』と同じ頃に作られたコンチネンタルタンゴ。

お盆に、
施設のスタッフさんに許可をいただき、
母の部屋で、母の好きな
『愛の讃歌』『サントワマミー』
『すみれの花咲く頃』
『小さな喫茶店』を
バイオリンで弾かせていただきました。

「この曲何?」の問いかけに、
何を弾いても、
小さな、少し苦しそうな声で
『愛の讃歌』と。

『タイスの瞑想曲』が好きだった父には、命尽きる間際、
聴かせてあげることができませんでしたが、
虫の息でも、一生懸命生きてる母に、
少しでもバイオリンを聴いてもらおうと、
学生の頃のように楽器を背負って、
鼻歌で『小さな喫茶店』を歌いながら、
施設まで、歩いています。

明日も明後日もバイオリンを背負って行くつもりです。

そういえば、帝国ホテルのSNOOPYの小さなぬいぐるみは、
母と一緒に行ったとき、
母が欲しがって購入し、
今も、我が家のドアマンをしてくれています。

Quartet.KAN…まっしぐら???

2023.8/5.6の2日間、
「名フィルの日」と題して、
団員さんが、様々な組み合わせで
多くのアンサンブルを披露していました。
1日券を購入すれば出入り自由です。

友人が2ndバイオリンとして、
名フィルの
首席客演コンサートマスターに就任されている
荒井英治先生と一緒にカルテットを演奏するということで、
来年、閉館になる、
しらかわホールに向かいました。

カルテットの4人登場…

猫Tシャツにジーンズ。
荒井先生、赤い靴下…。
やたらラフ。でも、なんだかいい。
そっか、、カルテット.カンだから、
カル=缶…まっしぐら…ね笑。

四匹の猫たち(失礼!)

曲目は、音が発せられるまで秘密。
…発せられても秘密。

いきなり、弦楽四重奏でヘビメタ!

びっくり!!!

でも、なんの違和感もない。
団員の皆さまの技術があってこそのヘビメタ演奏。
演奏者ノリノリ。
荒井先生なんて、グルーヴィで本当に楽しそう。

暫く呆気にとられ、

次は、
ヒンデミット「ミニマックス(軍楽隊のためのレパートリー)」

これも、とにかく面白いのと、
やはり技術と演技力?がないと聴衆を楽しませることができないであろう曲。

わざと音程を外したり、
2ndバイオリン、ビオラが、席を立ち、
ドナウ川の向こうでトランペットを吹いている、という設定で、
後ろで立って弾いたり。
ハーモニックスばかりのメロディあり。
楽しいマーチあり、甘く美しいワルツあり。
茶目っ気たっぶりのプログラム。

そして、JAZZ。
「インディゴの夜」
「A列車で行こう」
ピアニッシモのところが美しくて、
「こういう空間が素敵」と
酔っていました。

弦楽というとお堅いイメージかもしれませんが、
実は、奏者それぞれ、いろいろなジャンルの音楽が好きで、
ヘビメタだろうがJAZZだろうが、
テクニックとセンスで、
奏者が心から楽しんでいるのを
受け取ると、
聴衆も、眼から耳から、その空間の空気を感じて、
一体感で楽しくなります。

クラッシックの弦楽○重奏曲も
とても素敵ですが、
今日は、なんだか、
良い意味で意表を突かれ、

【楽しげに餌にまっしぐらの四匹の猫たち】を(再度、失礼!!)

こちら側で、
最初は、ぼう然と眺めながらも、
その姿に癒されたり、元気が湧いたり、取り憑かれたように凝視したり、身体が自然に動いたり、
とにかく楽しい瞬間でした。

おもしろかった…。
…これに尽きます。

2017-2024 岩﨑バイオリン教室